心の風穴をなめてくれたジジ

2014/03/14

数年前に首輪をつけたチャトラちゃんが私の後にずっとついて来て離れません。
どうやら捨てられた子のようでした。 体調がすぐれない様子に動物病院に連れて行って
ビックリしました。内臓がのどの近くまで移動していて獣医さんも「こんなの見たことない!」 
そう声をあげるほど。さらに「生きているのが不思議」とまで「心無い人にお腹を蹴られたか
何かの原因でしょう」との事で、我が家でお世話をすることになりました。その子が妊娠して
どこかで子猫を産んだようです。しばらくして黒い子猫をつれて来て、色々なことを躾して、
「この子を頼む」と言わんばかりの“あいさつ”を残してチャトラは姿を消しました。 
その黒い子猫にジジと名付けました。
私はこのころ、色々な事情を抱えて、いまにも押しつぶされそうな思いの日々を送っていました。
ジジはそんな私をいつも支えてくれる存在でした。夜など布団に入っても様々な心配ごとが思い
乱れて一睡も出来ないことも常でした。しかし、ジジが来てから、私の布団のかたわらに入って
一緒に寝るようになってから、麻酔を打たれたようにグッスリ寝られるようになっていました。
私に反発的な家人や友人たちには決してジジは抱かれる事などありませんでした。 私の無二の
友の二人だけには、ゴロンと寝転んでは、お腹を上にして撫でてなでてと甘えて見せました。
そんなジジは「あなたの守護神だね」と、知人たちは言ってくれていました。
この子、ジジに、私の“心の風穴”をふさいでもらっているんだと、しみじみ感謝でした。
そして気が付けばギクシャクしていた家族の和も修復されていい感じになっていました。
幸せって永く続かないものですね!
ジジが我が家にはじめて来た日は1月2日でした。 私に2年余に渡り、幸せをくれ続けたジジは
1月2日に車に跳ねられて短い命を閉じました。 片目が飛び出し無残な姿で路上に横たわって
いました。完全に死亡しているジジを近所の方が見つけて「ジジ」と呼びかけたら、あり得ない
事が・・・片手を空に向けて上げたとのことー。 私が知らせで駆けつけたときのジジは、歯を
くいしばって声を発しないようにしたんだと思いました。 事故のとき悲鳴をあげたら誰かが
気づき、見慣れた人ならすぐに知らせを受けたかもしれません。 ジジは私に心配と負担をかけ
ないために歯を食いしばって一人で逝ったんでしょう。

所沢市 O