まだ目も開くか開かないかの子猫

2010/11/12

22年前に、当時、中学生の息子がカバンを平らにして両端を持ち、右に左に揺すりながら、ウキウキ として帰ってまいりました。見ますと、カバンの上には、まだ目も開くか開かないかの子猫が乗っていました。母猫なしではとても育ちません。元の場所に返し てくるように奨めましたが、息子は飼うと言って頑としてひきません。根負けして、母猫代わりをしながら育てた虎ちゃん・・
一昨年は、成人式をしてあげました。亡くなるその日も、好きなものを食べたあと、眠るようにして息を引きとりました。まるで夢でも見ているような出来事に、死亡したことが受け入れられずに、息子と取り合いをするように三日間を過ごしました。22年の歳月も昨日のことのように、一つひとつよみがえってまいります。沢山の幸せを私たちはもらいました。虎ちゃん、ありがとう、本当にありがとう。どうか、やすらかに。

末広町 S・京子