茶トラのフーコ
2010/11/15
13年6ヶ月共に過ごした茶トラのフーコが、12月11日に静かに息を引き取りました。
このひとが我家に来たときの事は忘れません。当時まだ中学生だった息子と私を残して14年前、主人は病気のため他界してしまいました。その衝撃から抜けられないでいる私たちを癒し、支えてくれたのがこのフーコでした。
ある日、ダイエーのボードに「可愛い子猫が生まれました。母ネコはこの界隈では有名な美人さんです」との貼り紙を見かけて早速見に行きました。愛らしい5匹 の子猫ちゃん達とのご対面でした。他の子猫を踏み台にして挨拶してきたのは、雌猫のフーコだったのです。まだ一ヶ月で片手にのる位の大きさでした。一目で 気に入り連れて帰りたいと話したところ、トイレの躾もまだのため、三月は親に付けておきたいと言うのを無理に頼んでもらって来たのでした。それからは ニャーとも言わせない位先を読んで世話をしました。女の子なのに縄張りを張って雄猫だって対等に喧嘩する強い猫でした。人の食べるものは何でも欲しがりました。あの目を見るとついつい・・・
この元気さなら二十年だって生きると信じていました。ところが一週間位前に急に病院にかかる事になりなんと糖尿病の末期との診断でした。耳を疑いました。信じられませんでした。こうなった事をあれこれ後悔して自分を責めても見ました。息子がこう言ってくれました。「もしも、健康を考えて欲しがるフーコに制限を続けたら、お母さんもフーコもそのストレスで、違うかたちで悲しむことになったかも」と–。役割が全て終ったから帰って行ったんだと思ったら気持ちが割り切れました。
東村山市 Y・T